皆さん、こんにちは。
張り工程の担当の小田です。
今回はパイプフレーム椅子の張り替えを紹介したいと思います。
パイプフレーム椅子とは骨組みがスチールパイプ製でリクライニングする椅子などに多く見られる構造の椅子です。
似たような椅子に「折り畳みパイプ椅子」がありますが、パイプ椅子は座面やモタレの荷重を受ける部分が全てスチール製なので金属で支えています。
耐久性がある反面、弾力性は無く座り心地は良くありません。
一方、パイプフレーム椅子はスチールパイプをウレタンフォームで覆って作られていることが多く、形状や角度などの自由度が高い反面、金属が硬過ぎてウレタンが剥がれたり破れたりしやすいという欠点があります。
多くの場合、ウレタンが裂けたり破れたりしてしまうのを避けるため、ゴムベルト(ウェービングベルト)やテープで巻いて作られていたり、荷重に強い発泡ウレタンで構成されています。
今回はそんなパイプフレーム椅子修理の一例を紹介したいと思います。
最近、家にあった座椅子のパイプフレームが体に当たって痛くなってきたので、コレを修理してみます。
まずはビフォー画像です。
モタレ上部はクッキリとパイプの形が出ており、座ると硬くて痛いです。
そして縫製品を剥がした様子。
ウレタンがズレてパイプフレームが剥き出しです。これでは痛いはずです。
シートのウレタンもヘタってしまっていて内部のフレームをゴツゴツ感じてしまいます。
そしてウレタンを剥がしました。
モタレ内部はP.P.バンドが1本だけ巻かれており、これだけでモタレの荷重を受け止めるような構造でした。
修理開始です。
1本のP.Pバンドで受け止めていた荷重を「面」で受けるために寒冷紗を巻きます。
寒冷紗には接着剤を吹き付けてパイプフレームにしっかりと固定します。
次にシートウレタンを新品にします。
今までのものより高比重ウレタンに変えてフレームを感じさせなくしました。
続いてモタレウレタンも交換します。
こちらは寒冷紗を巻いてしっかりとしたことを踏まえて、少し柔らかめのウレタンを選択しました。
古い縫製品を被せて作業完了です。
もうフレームはウレタンに包まれているので快適です。
見た目も、ハリが出てボリュームが増しました。
ビフォーアフターはこのような感じです。
どうですか?
これでまだまだ数年は使えそうです。
今後は張地も着せ替えようかと考え中です。
このように椅子の構造にあわせ、最適な方法で修繕しております。
椅子の種類を問わず、まずは弊社営業までご相談ください。