皆さん、こんにちは。
張り工程の担当の小田です。
椅子を張る時に使う「タッカー」という大きなホチキスみたいな道具があるのはご存知ですか?
主に生地を引っ張って固定する際に使用します。
でも椅子を見てもタッカー針が見えることは少ないと思います。
細い針を使ったり、同じ色で目立たなくしてあることもありますが、今回は椅子を張り替える際にタッカー針を見せないために使う「打ち返し」と呼ばれる技法を紹介します。
「打ち返し」とは簡単に言えば、タッカーを打った場所を生地をひっくり返して見えなくする方法です。
まずは普通に同色の針で打った場合はこうなります。
これが打ち返しだとこういった仕上がりになります。
側面にタッカー針が見えていません。
次はどうやって張るかを説明します。
最初に生地を裏返して1辺だけを打っていきます。
このままひっくり返すと、タッカー針が微妙に整列していないために、ガタガタに見えてしまいます。
そこでキーボールと言う厚紙を細く加工したものを上から打っていきます。
これでようやく生地をひっくり返します。そして生地をパンッと張った状態を保ちながらシワが出ないように打っていきます。
これで打ち返しの完成です。
他にも色々なタッカー針を隠す技があり、それらを駆使しながら日々、張り替えを行なっています。