座り心地も「着せかえ」
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「座り心地のよいイス」と言っても、感じ方は人それぞれです。大柄な男性と小柄な女性が同じイスに座った場合、感じ方はきっと異なります。
また、ゆっくりとくつろぐ目的のイスであれば柔らかめの座り心地、姿勢を保ちたい場合は硬めの座り心地等、同体型の場合でも使用目的によって座り心地を変えた方が良い事もあります。
「今の座り心地に満足できない」「もう少し高さを出したい」などお客様のこだわりをお伺いし、ご自身にとって一番座り心地の良いイスになるようSOHOでは座り心地の「着せかえ」にも力を入れております。
中身の経年劣化
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長時間座るイスにとって座り心地はとても大切です。
座り心地を気に入って購入しても、長年の使用でイスの中身も劣化してしまい、座り心地も変わってきます。
質の悪い物の場合、購入後1年ほどでウレタンがへたってきたりエラストベルトが伸び切ってしまう事も多々あります。
「見えない部分だからこそ、しっかりと修理する」をモットーにSOHOではエラストベルトやバネ、ウレタン等中身の状態もベテラン職人が細かくチェックし丁寧に直すことで長年使用してきたイスの座り心地も蘇らせます。
様々なイスの内部を見続けてきている職人だからこそ、どのようにして修理をすればよいのか熟知しております。どうぞお任せください。
経年劣化の事例
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Sバネが折れてしまっています。
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コイルバネが直接ウレタンにあたりウレタンを突き破っています。
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エラストベルトが伸び切ってたるんでしまっています。
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ウレタンが砂のようになってしまっています。
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水分でベトベトになってしまっています。
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コイルスプリングが飛び出してしまっています。
中身の種類
ウレタンの種類
エラストベルト
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線状になった天然ゴムをポリプロピレンの糸でコーティングしたもの。昔のすぐに伸び切ってしまうものと比べコーティングすることにより大幅に耐久性が向上しました。SOHOでは通常のものに比べ更に耐久性がある5芯タイプを使用しております。イタリア製ソファによく用いられ、ヨーロッパの高級家具にも多く使われています。
Sバネ(連結式鋼製組バネ)
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家具の量産化に伴い、コイルバネに変わり70年代後半から現在に至るまで中心的に使用されているものです。シートにクッション性をもたせます。
メッシュ(各種メッシュ)
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SOHOではエラストベルトの上に更にこのメッシュを張り、耐久性を高めフレームへの耐圧分散を図るようにしております。
座り心地の「着せかえ」例
Case1.バネが劣化、軋んでお尻に当たり、違和感があるとお悩みのお客様
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①剥がした状態。コイルバネが錆びています。
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②PPテープとコイルバネをとりエラストベルトで補強します。
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③更にメッシュを張ります。
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④チップウレタンをのせます。
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⑤ウレタン材を積層して膨らみをつけます。
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⑥完成です。違和感解消!喜んでいただけました。
Case2.毎日休みなくお客様が座り、すぐに座面がへたってしまうのがお悩みの店舗経営者様
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①剥がした状態。ウレタンもぼろぼろです
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②エラストベルトが切れてたるんでしまっています。
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③頑丈な合板仕様に着せかえです。
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④ウレタンを交換して完成です。商売繁盛!これで長く使えますね。
Case3.古いアンティーク椅子の復元をご希望のお客様
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①コイルバネが麻テープを突き破っています。
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②木枠の一番底の部分に麻テープを編みながら打っていきます。
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③その上にコイルバネを配置し、タコ糸を使い針で縫い止めます。
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④次に丈夫な麻紐でそのバネを蜘蛛の巣状に縛りながら固定していきます。とても時間のかかる作業ですが片寄りや座り心地に影響します。
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⑤バネが固定出来たら麻布で全体を覆い、タコ糸で縫い固めていきます。復元完了!タイムスリップした気分です。
置きクッションの作製
置きクッションタイプのソファのウレタン交換にも力を入れて対応しております。
中身だけがへたってきた、柔らかすぎて腰が痛い、もう少し高さが欲しい等々、中身の交換やカバーの作製のみのご依頼も承ります。どうぞご相談下さい。
中身の交換
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右側がBefore、左側がAfterです。スラブウレタンだけで作られていたクッションを、下部にチップウレタンを使いお客様のご希望に沿い硬めにし、へたり分を考慮しボリュームを出しました。
カバー作製
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お客様と相談し、同生地だったクッションをカラフルな生地で着せかえ、ツートンカラーでイメージチェンジしました。