革は、椅子の張地として昔から人気のある素材です。
天然素材ならではの風合いや手触りの良さ
本物ならではの存在感に加え、耐久性にも優れており
適切なメンテナンスを行えば20年以上使い続けることも可能です。
さらに、使い込むほどに色艶や表情が変化していく
「経年変化」も魅力のひとつとして、多くの方に選ばれています。
一方で、椅子の張地には合成皮革(合皮)という選択肢もあります。
合皮は、布地(基布)の表面にポリウレタンや
塩化ビニルといった合成樹脂をコーティングして作られた人工素材で、
表面に型押し加工で本革に似た見た目を再現したものです。

一見すると革に似ており、色や柄も豊富。
見た目が均一で美しく、無駄が少ない分価格も比較的手頃。
軽量で水や汚れに強く、素材として扱いやすいという特徴があります。

天然皮革と合成皮革の違いとは?
見た目は似ていても、素材の構造自体が異なるため、
耐久性や経年による変化の仕方には違いがあります。
本革は使い込むことで風合いが深まっていくという特性があるのに対し、
合皮は時間の経過とともに表面のコーティングが劣化し、
ひび割れや剥がれといった変化が起こります。
使用頻度や環境による要因ももちろんありますが
耐久性で比較すると一般的にこれくらいの違いが見られます。
新品の時の見た目にそこまで差異を感じなくても、
実際には品質や耐久性は大きく異なる素材です。
そもそも「革」とは?
本革(天然皮革)とは、動物の皮を鞣して加工した天然素材のことです。
皮は、動物から剥いだままの状態で、時間が経つと腐ってしまいます。
革は、その皮に「なめし(鞣し)」という加工を施し、
腐らないようにしながら、やわらかく丈夫な素材へと変えたものです。
つまり、皮は“素材の元”であり、
革は“製品として使える状態”にしたもののこと。
日本語だと同じ「かわ」ですが、
英語では、皮は「Skin(スキン)」 革は「Leather(レザー)」と
はっきり区別されています。

本革は、もともと食肉の副産物として生まれる素材です。
(※皮を得るために屠殺することはありません)
廃棄すれば環境汚染になってしまう大量の皮を
鞣(なめ)しという技術によって、
長く使える丈夫な素材へと生まれ変わらせています。
命をいただいた後の皮を無駄にしない、
サステナブルでエシカルな素材ともいえます。
革製品のサステナビリティについては、
日本皮革産業連合会(JLIA)が行われております
「Thinking Leather Action(TLA)」の取り組みが参考になります。詳しくは下記ページをご覧ください。
https://tla.jlia.or.jp/
本革と一言で言っても、牛や豚、羊、馬など様々な革があり
鞣しの方法にも、植物由来のタンニンを使うものや、
クロムを用いたものなどがあり、
仕上げの方法によっても風合いや特性は大きく異なります。
また、表面の仕上げにも染料仕上げや顔料仕上げなどがあり、
それぞれに見た目や耐久性の違いがあります。

革製品に使用される本革は、主に表面の銀面(ぎんめん)と
内側の床面(とこめん)から構成されており、
合成皮革と比べるとその厚みや丈夫さは一目瞭然です。
椅子に使われる革には、耐久性が求められる用途であるため、
使い心地や寿命に見た目以上に大きな違いがでてきます。
椅子の張地に適した本革とは?
上記のように、同じ本革でも加工の仕様によって
風合いや耐久性は変わってきます。
市場には以下のような加工革が多く流通しています。
・銀面(表面)を削り、キズを隠して塗装した革
・床革にフィルムを貼ったもの
・革の繊維を固めて作られた再構成素材
これらの革は、
・見た目が均一で美しい
・取り都合が良く使いやすい
・価格が比較的手頃
というメリットがあります。
しかし、長く使う中で、天然の銀付革とは
風合いや耐久性に大きな差が現れます。
場合によっては、「天然皮革を使う意味」
そのものが薄れてしまうこともあります。
装飾品や雑貨など、用途によっては
そういった革が適している場合もありますが
椅子は毎日体重がかかり、長時間使われるものです。
そのため、張地としての革には
・擦れても傷みにくい耐久性
・色落ちや色移りのしにくさ
・日光による劣化への強さ
といった、想像以上に厳しい条件が求められます。
見た目の美しさだけでなく、
日常使いに耐える“実用性”が非常に重要になります。
SOHOが考える「本物の革」
私たちは、本革をご希望のお客様には
革本来の風合いと価値を感じていただける素材をおすすめしています。
人の肌が一人ひとり異なるように、
動物の皮にもそれぞれ個体差があります。
色ムラや傷、血筋、シボ感といった表情は、
革がもともと持っている自然な特徴です。
表面のキズやシワは「ナチュラルマーク」と呼ばれ、
牛が生きてきた証であり、天然皮革の証でもあります。
こうした豊かな風合いは、合成皮革のような
均一に作られた素材には決して見られないものです。
一脚ごとに異なる風合いを楽しめることも、
本革ならではの魅力のひとつです。
多少コストやお手入れの手間はかかりますが、
それ以上に「本物ならではの風合い」と
「長く使える価値」を感じていただける素材です。
張替えは「修理」ではなく「選び直し」
椅子の張替えは、ただ直す作業ではありません。
素材を選び直し、その椅子の価値を引き上げる機会です。
せっかく張り替えるなら、
見た目だけでなく、長く使った先まで満足できる素材を。
それが、私たちが「本物の革」をおすすめする理由です。
まとめ
このように本革は、加工方法によって多様な表情を持ち、
丈夫で長く使うことができ、
そして何より、使い込むほどに風合いが増していく奥深い素材です。

決して安価な素材ではありませんが、その分、時間とともに価値が深まり、長く愛用できる素材でもあります。
また、一枚として同じものが存在しない一点物であることも、本革ならではの魅力です。
こうした背景を持つ本革は、単なる素材ではなく、
資源を無駄にせず、長く使い続けるという考え方にもつながる、
サステナブルな天然素材だといえます。
そして、椅子の張替えという選択もまた、今あるものを活かし、
新たな価値を与えるアップサイクルのひとつです。
私たちは、素材としての革の魅力と、
長く使うという価値の両方を大切にしながら、
椅子の張替えをご提案しています。
お問い合わせ先
イスの着せかえ屋さん SOHO
電話番号:0566-82-1837(営業時間10:00~17:00)
住所:〒472-0026 愛知県知立市上重原町腰前10
メールアドレス:hp@kisekaeya.com


