オリジナルの工具

着せかえ事例

皆さん、こんにちは。
ウレタン・下張工程担当の小田です。

今回は張り替えの際に使う道具の話です。

張り替え依頼のイスには様々な種類があります。
生地は、本革、合成レザー、布、籐など、中身の構造もバネ、ウレタンフォーム、ゴムベルトなど色々です。

それらのイスを効率よく張り替えするために、用途に合わせた道具を使用します。
その道具は一般的販売している製品ばかりではありません。
中にはこの作業をするためだけに作られたオリジナルの道具もあります。
今回はその道具の一部を紹介します。

これは先を二股に削ったドライバー。
生地を張る際に使う「タッカー針」(ホッチキスのような針)を抜く時に使用します。
かなり使用頻度の高い道具で各工程に1本はあり、このようにして使用します。

次の道具は先が少しだけ曲がっているこの道具です。

涼しげなイスの背もたれなどに使用してある「籐」という素材があります。
編みあげられた「籐」は背もたれに彫られた溝にタッカー針で固定され、その上から太めの「籐芯」を溝に埋めて接着し、タッカー針を隠します。
張り替えをする際にはこの逆の手順で剥がしていくのですが、この接着された「籐芯」が難敵なんです。
長年接着されていた籐は簡単には取れません。溝の中に残ってしまい綺麗に張り替えするには大きな障害になってしまいます。
そこで使うのがこの道具です。

 

 

これは溝の中の「籐芯」を掻き出すというための道具でした。

最後に紹介するのはコチラ。

これはイスの座り心地に大きく関係するバネ、その中でも波打った形状をしている「Sバネ」と呼ばれるバネを引っ張るための道具です。
人の体重を支える「Sバネ」はとても固く、手で引っ張ることができません。
でも「Sバネ」が折れてしまったり、別の座り心地をお望みのお客様には交換をしなくてはならない場合があります。
そんな時はこの道具を使ってテコの原理で引っ張ります。

今回、紹介した道具はまだまだほんの一部ですが、これらの道具は自分たちで改造したりしてより早く、確実に作業できるように進化していきます。
いい道具といい技術が合わさって、いい仕事ができると思います。

これからも道具と共に精進していきたいと思っています。

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