自分で張り替えてみました

着せかえ事例

こんにちは、SOHOの縫製担当です。

今回は私が、自宅で自分の家の椅子の張替に挑戦した時のことをお伝えしようと思います。

 

※私の専門はあくまで「縫製」ですので、それ以外はド素人であることを事前にお伝えしておきます

 

張り替えるのはこの椅子です。

15年前、祖父の家の押し入れに仕舞いこまれていたダイニングチェアを引っ張り出し、漆風塗料を塗り、ウレタンとベニヤはそのままに、座面のみ張替えた椅子…

それから15年経ち、ウレタンは潰れ、ベニヤは割れ、使うのを躊躇してしまうほどには座り心地が悪くなっていたものです。

今回この椅子のベニヤを替え、ウレタンを足し、座面の張替までを、家にある道具だけで挑戦してみました!

 

では、まずははがすところから。

前回も自分で張り替えているので、当然裏張りなどはありません笑

ニッパーや先曲りラジオペンチなどを使用し、タッカーの針を抜いていきます。

 

はがし終わったらベニヤ板の寸法を測り、新しい厚みのあるベニヤ板を切り出していきます。

元のベニヤは5㎜厚のものでした。(そりゃ割れる)

今回は、家にあった15㎜のベニヤを使用します。

 

この時点でフレームより少し高くなりましたが、特に問題はなしです!

ミシミシ音がしなくなっただけでも、ものすごい安心感があります笑

 

こちらは剥がした布と、初めから使用されてたウレタンです。

もともと薄かったウレタンが潰れて、5㎜もありませんでした。

そりゃあ座っているとお尻も痛くなるはず…

 

今回は、ウレタンを会社で見繕っていただきました。

20㎜チップウレタンと10㎜NRウレタンです。

(ウレタンの詳細については、過去記事の「座り心地について」を参考にしてください。)

 

古いウレタンを元に、新しいウレタンをカットしていきます。

元の椅子よりだいぶ高くなってしまったので、前脚の部分はチップウレタンを斜めにカットしました。

 

今回はこの生地を使用します。

前回の座面を型紙にして裁断します。

 

今回、ウレタンの分厚みが出て前回と同じ張り方はできないので、少し形を変えました。

家にあったロープをバラシて綿芯とし、打ち付け玉を作ります。

(玉縁の詳細については、過去記事「玉縁についてパート2」を参考にしてください)

 

玉縁を座面の縁に縫い付けます。

しかしこのままだと脚の上に縫い代が被ってしまいカッコ悪いので、

縫い代を厚くしたベニヤに一か所、打ち込みます。

 

すると・・・

このように、脚が隠れずに済みます。

ここまでくれば、あとは巻き込んで裏側にタッカーで打ち込むだけです。

 

こうなります。

脚と脚の間にシワが入らないよう、たわまないよう、ガッチリ張るのが難しかったです。

 

後ろ側はこんな感じ。疲れたので、巻いただけになりシンプルにしました笑笑

裏側の写真は撮り忘れましたが、かなり雑です笑

 

そして完成品がこちら。最初のと比べてどうでしょう。

これを4脚。

テーブルにセットすると、張替前より高級感が増した感じでもあり、うどん屋さん風に見えなくもないです笑

 

最初から最後まですべての工程を「自宅」で「自分」で挑戦してみて思うことは、やはりどの工程の職人さんたちもすごい、ということです。

たった4脚のダイニングチェアを張り替えただけでヘトヘトになりましたが、SOHOでは日々いろんな形の椅子が持ち込まれ、張り替えられています。

ほぼ、初対面の椅子ばかり。それでも多くのお客様が喜んでいただける仕上がりとなっています。

そこには、SOHOの工場設備はもちろんですが、それぞれの職人さんの経験と知恵と技術が詰まっているのだなぁと、改めて感じるきっかけとなりました。

私もその工程の一部に携われていることに誇りを感じています。

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