接着修理の話

着せかえ事例

下張りとウレタンを担当しています、金です。

 

皆様のご家庭で御使用のイスはガタつきはありませんか?

今日は、イスの接着をこの道50数年のベテラン間瀬に代わりまして、紹介させて頂きます。

接着はイスをゴムハンマーで叩きながら、一度バラバラに分解していきます。

ただ、接着がしっかりと効いている部分は無理に行うと木部を割ってしまう為、長年の職人の判断で分解作業を行っていきます。

 

次に、古い接着材のカスを取り除き、2液性のエポキシという接着剤で接着をしていきます。

24時間掛けて木の繊維に含浸するよう、ゆっくり固めていきます。これにより、一般的な白ボンドより遙かに強い接着を行う事ができます。

 

今回の写真はウィンザーチェアーの接着です。

ウィンザーチェアーは座面が5~6枚ほどの板で接合されており、接着材の劣化により割れてしまいます。

SOHOでは、割れた部分の接着だけでなく、他の部分の今後の割れを考えて、座板の裏側に補助木を横に2本取り付けます。

接着作業により生じる多少の段差も、サンドペーパー(紙やすり)で修正を行い、その後簡単な塗装を行うようにします。

これで、座面の接着修理が完成です。

今回の修理は座面の他、背モタレの桟木も根元から折れてしまっています。

この修理は本当に大変で、同じ桟木が手に入らないので、桟の断面に穴を開け、ダボを差し込み、エポキシで接着修理を行いました。

修理内容の都合上、お客様には本来の強度は保てませんとお話をさせて頂きましたが、修理が完成したイスを見て大変喜んで頂きました。

接着は時間と技術を要する職人技で、縁の下の力持ちという仕事ですが、お客様にこの先も安全にイスに座って頂くための修理という大きな使命を持って作業をしています。

今後も、地道に、正確に仕事を続けて参ります。

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